1 ハンドゥー (水ガメ) 
 台所の入口に置かれたハンドゥーに、井戸から 水を運び入れて置き、飲料水や炊事用水として使った。
 ハンドゥから水を使う時には、竹製の(ニーブ)ひしゃくを使った。
2 ニーブ (ひしゃく)    
 竹の節を底にして適当な杓を作り長い柄を付けて ニーブにしたものである、形も水ガメから水をくみ取るのに便利にできて、
まさに生活の知恵がにじみ出ててるもので、一杯の水をぐいと飲みほした時なんともいえない懐かしさをかもし出すものである。
3 石トーニ (石のタライ)  
  井戸端にはよくこの トーニが置かれていた、トーニは石で作ったタライで、使い方は排水のための穴をぼろ布でふさぎ芋を入れ水をいれて
足をつっこんで芋を踏み洗いした、芋を洗い終わるとぼろ布をぬいて汚れた水を流した、2〜3回くり返し洗ったものである、
芋はたがいに摩り洗いされて、表皮が剥けキレイになり炊いてそのまま食べたものである。
4 チュウキー (つるべ)   
  沖縄では、水道が完備されるまでの1960年頃までは、多くの家庭で、井戸水を生活用水としていたので、つるべは必要不可欠のものであった
井戸から、ツルベで(ターグ)20?ばけつに水をくみ取り天秤棒でかつぎ何回も往復して(ハンドゥ)水がめ一杯になるまで運ぶ遠いところで
500メートルほども運んでいだ。
5 ヤーホゥチ (屋内ほうき) 
  ススキの穂が、真っ白く風に揺られて波打つ季節になると、このススキを刈り取り、白い綿毛を落として、
穂先を適当なほうきの形に整え束ねて出来上がり。 
このススキのほうきはどこの家庭でも家内の片隅に置かれよく利用されていたものである。
 また、農家では、稲刈りのあと藁でも同様(屋内ほうき)を作り使っていた。
6 ナーボーチ (外ぼうき)
  琉球竹を束ねて作った 「ほうき」が主流で、すべて手作りであった。
身近にある、ほうきにできる材料であれぱ何でも利用してほうきにしたものである、 ソテツの葉っぱを束ねたり、木の枝を使ったりなど。
7 クバオーギ (うちわ) 
  沖縄では、古るから使われてきたもので、扇の原型とも言われている
クバの葉を広げ石の重しをのせて日に干します、乾いた葉っぱをうちわの形に葉先を丸く切ります、次に中央の芯のところを二つに裂きますと
半円形のクバオーギとなる。
ヘートゥイムン (蝿取り機)      
  回転角板にハエを引き寄せる食べ物を塗って置きます、ゼンマイを左回しにしめて角板を回転させる、ハエが夢中で食べ物にすがっていると
角板が回転し箱の中に吸い込まれて逃げ場を失い、金網の張った箱に逃げ込み、ご用となる。
9 ヘートゥイムン (ハエ取り器)  
  まず容器に水を入れてハエを引き寄せる食べ物を真下に置きます、底の方から入ってきたハエが飛び立つとき、
真上に飛び容器の中へ逃げ場を失い水に落ちて死んでしまいます。
10 ターレーと洗濯板 (タライ)   
  昭和中期ごろまではタライに洗濯物を入れ頭の上にのせて、井戸端や川に持って行き洗濯板を置きアデカセッケン(固形石鹸)で
井戸端会議をしながらの洗濯をしたものである。
11 ガーフ (自在)  
  ジール(囲炉裏)に吊り下げて、ナービ(鍋)、ヤックワン(やかん)などを吊り下げ、自在を上に あげたり、下に さげたり、
して なべ、やかん等の底と 火との間を 調節し食べ物を煮たり、暖めたり、湯沸したりした 便利な道具である。
12 フヤーランプ (ホヤランプ・五分、八分等が一般的なランプ)  
  ホヤランプには、3分、5分、8分(芯のことを言う)と称する種類があり、3分勉強等、5分一般家庭、 8分裕福な家庭で
昭和の中期まで使われていたどこの家庭でも煤で汚れたホヤを掃除するのは、ホヤに手が入る子供の役目で掃除の時よくホヤを割って
親に怒られたものである。
13 ビンチョーウランプ (三分ランプ)
  勉強ランプは、裕福の家庭にあった、壁に掛けたり、テーブルの上に置いて、夜その弱い光の下で、本を読んだりして勉強をしていた。
14 カクランプ (灯火器) 
  ブリキで四角い枠を作り四面にガラスをはめこんだ、石油ランプです。夜便所に行くときまた、部落常会など外出用としても使われた。 
(現在の懐中電灯の役目)上の空気抜きにはかさ状のふたが付いていて、少々風があっても雨の日でも持ち歩くことができた。
ブリキ屋で一般に作られたランプ。
15 油火 (灯火器)
  油火は、器に油を注ぎ灯心に浸して灯す火である、灯油には 、豚油、サメ油、海亀油などが使われた、又、
豚油は火を燃やした時の臭いがなく煤も少なく上流家庭で使われ、かなりの臭いがあるサメ油、海亀油はもっぱら庶民が使った。 
16 ローソクタティーー(燭 台)
  ローソク立ては、、室内照明器具の一つ、 蝋 燭 を立てて火を点ずる台、おおくは持ち運びができ手に携えるもの、
壁に掛けるものなどがある。
17 ヒール (火炉) 
 炭火を入れて運ぶ器で、タバクブンに炭火を入れたり、病人の食べ物を暖めたりした器である。
18 ミシン
  明治、大正のミシンは、右手でハンドルを回転させながら左手で縫い目の操作を行こなっていた。
昭和の頃からミシンは、足踏み式に変わり、ベルトで連結し機械を動かし両手で縫い目の操作を行うことができた、
昭和の後期頃からは電動ミシンが出まわった、平成のミシンは、すべて電動でコンピューター制御で縫い目は自由に
縫いあげている。
 ミシンの進化は現物を見ると分りやすい。
19 ケーグー (貝) 
 シャコ貝の使用に付いては、食器、手洗い、香炉、魔よけなどと日常生活用具として使われたものである。
20 ヒーバァク (箱型火鉢) 
  板で作った箱型の火鉢、片方に木炭入れがあり、中は1斗缶を二分の一に輪切りにしてはめ込み灰を入れてできたもの、
昭和中期頃まで各家庭で使われていたが、石油ストーブや電気ストーブ、電気コタツに変わっていった。
21 イシウーシ (石ウス) 
 昭和中期ごろまでは、赤カワラの家、セメンがワラの家の瓦に雨漏りをふさぐための
シックイぬりつけをするため、シックイをつついてこねる、石ウスは必要品であった。
22 石ターレー (石鉢) 
  沖縄の昔の家は玄関は無く、ハシリグチー(又は濡れ縁)戸口があったその横に置き手足を洗っていた、又は、井戸の横に置いて
水をいれて手や足を洗っていた、昔の人、農作業、林業、漁業など皆、裸足であったため。
23 石ターレー 
  石のたらいで洗濯をしていた、周囲のふちでトイシ代わりに、包丁など、刃物をといだりいろいろな用途に使った。
24 ナービシキ 
  平底の鍋や釜がほとんど無く底が丸くなっているナベやハガマを置くためのワラで作った、わっかで、
鍋や釜を置いて安定させるための道具である。
25 シキナ又は、エンザー 
 昭和20年代までは、ほとんどの家では畳は無く床板にムシロをしいて寝ていた、その頃
まで座布団代わりに土間や床に、これをしいて座った。
26 火切り 
  火切り臼に、火切り杵を当てて回転させその摩擦で火を起こしそれを火縄に燃やし火種として大事にあつかわれた、
火を起こすことは大変な作業であった。明治中期以降からは、マッチが出まわり次第になくなっていった。
27 マーグ (物入れ) 
  マーグとは蓋のあるかごを意味しているものであると言われています、もみ、むぎ、まめなど種物をたくわえた道具である。
ワラで作られたかご。
28 ニクブク  (藁で作ったジュウタン) 
  ムシロが無い時代までは、寝床の敷物として(藁のジュウタン)作られたが、ムシロが出回り、ニクブクは、
収穫した穀物類の干しものとして扱われた、米、麦、粟などを、車棒でたたいて脱穀をしたり、重宝がられていた、
ニクブクは、藁で編んで作るが職人技でその模様が造形的な美しさを表しているものである。
29 ムシル(むしろ)
  ユウナーギー(オオハマボウ)の皮から繊維を取りこれを結うて細い糸を作り、その糸を縦糸にして、ビーグ(イグサ)を編んで作る、
大正の頃までは一般家庭では、萱葺きの家に、たたみは無く、夏冬とはず床の上にムシロを敷いて寝ていた、
また、来客のときも直にムシロを敷いてすわらせた。(勿論、敷布団や座蒲団はなかった。)
30 シュロのカゴ

31 シュロのムシロ 

32 ワラの俵  

33 ユングイ (杵)
 萱葺き屋根を作るとき、屋根に萱をのせて長い横棒で萱をおさえつけ、横棒を縄で締め
付けるときにユングイでたたいて締め付ける。
その他に 数十種類あり、数百点現有している
その他 まだ整理が出来ていません      < 一覧へ戻る >
< 一覧へ戻る >
01 住居用具
 家屋内外で使う道具(ハンドゥ、ニクブク、トゥニ)や、
固定設置されているもの(ヒンプン、 チニブ、チンガー)などがある。