ご挨拶
  公益社団法人沖縄県青少年育成県民会議が設立
 されたのは昭和43年です。設立宣言文に二つの理
 念が謳われています。青少年が沖縄の将来をにな
 う力である。激しく変化する時代に青少年が生き
 る力を発揮できるように成長を支えることは県民
の責務である。具体的には「地域の子は、地域で
守り育てる」「大人が変われば子どもも変わる」
 
との視点から青少年に対する支援活動が展開されました。
  本県民会議の公益目的の事業は3種類です。事業1、九州や兵庫県との
 青少年交流体験事業(フレンドシップイン事業)、少年の主張大会(市町
 市町村団体との連携。全国大会派遣)、「家庭の日」に係る絵画・ポス
 ターコンクール、青少年を健やかに育てる県民大会の開催(市町村団体・
 関連機関との連携)、青少年育成者研修会の開催、関係機関・団体との
 連携活動、青少年育成市町村会議との連携活動などです。事業2は、沖縄
子ども未来県民会議(子どもの貧困対策事業)の出納事務等です。事業3
は、子ども・若者支援事業(参加者を公募、人材育成目的)などです。
  ひるがえって、われわれは社会変化の激しい時代状況に生きています。
 未曾有の大震災、新型コロナウイルス感染症によるパンデミック、情報化
 国際化、少子高齢化などの急激な進行などです。大人以上に青少年、すな
 わち子ども・若者は強い負の影響をこの状況から受けています。子ども・
 若者の不安の高まり、家庭・社会・学校での孤独・孤立の顕在化、ウェル
 ビーング(安寧感)の低下、学力・健康等による格差拡大などが懸念事象
 だとされています。具体例として、子ども・若者の自殺や虐待の増加、
非行、引きこもり、10代の望まない妊娠、ヤングケアラー問題などです。
 果たしてわれわれは子ども・若者に対するどのような支援プログラムを
準備する必要があるでしょうか。これまでの事業効果の検討を踏まえ、
今後の企画を立てる必要があります。フレンドシップ事業は、参加者に対
する正の効果が得られました。参加した生徒に「生きる力」と「有能さ
(コンピテンス)」における有意な正の変化が得られました。「生きる
力」は「心理的・社会的能力」のことです。参加した生徒たちは、「失敗
を恐れない」「いやなことはいやだとはっきり言える(非依存)」「失敗
しても立ち直るのが早い(明朗性)」「多くの人に好かれている(交遊・
協調)」「先を見通して自分で計画が立てられる(視野・判断)」「自分
が進んで何でもやる(積極性)」などが高くなりました。一方、「有能
さ」は、自分に対する能力評価です。「むずかしい問題にも挑戦してみま
す(上昇)」「クラスの人はあまり自分を相手にしてくれないですか(低
下)」「自分はあまり役に立たない人間だと思いますか(低下)」「友だ
ちはたくさんいますか(上昇)」などと、生徒たちに好ましい効果があり
ました。集団活動・行動や交流体験などのフレンドシッププログラムの内
内容は生徒たちにとって、有意義を与えた言えます。同プログラムが長く
続いているゆえんです。
 われわれは、子ども・若者に対する支援において、基本的に2つの視点
を大切にしています。子どもたちは自らを成長させる力を有する能動的な
存在である。子どもたちは、自分の置かれた環境条件や装置を用いて、自
分の成長を遂げていくことができる。また子どもたちの集団活動において
「対話による合意形成の優先」「少数意見の尊重」「誰一人も取り残さな
い姿勢」という視点を重視します。さらに、子ども・若者への支援の在り
在り方を考える際には、子どもたちの「生きる権利」「育つ権利」「守ら
れる権利」「参加する権利」という4つの権利を枠としたいと思います。
子ども・若者への支援活動が有効に機能する上で、県民個人、家庭、地域
市町村団体、学校、警察、行政、社会教育団体との協力・協働が必要で
す。また、物心両面に渡る個人賛助会員及び地域企業・団体の社会貢献
活動の恩恵に与り、厚く御礼申し上げます。皆さまのこれまでのご理解と
ご協力に感謝しつつ、これからもより一層のご協力とご支援を賜りますよ
うお願い申し上げ、ご挨拶といたします。

                      令和4年1月吉日

         公益社団法人沖縄県青少年育成県民会議

                        会長 山入端津由
   
 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
   

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