との視点から青少年に対する支援活動が展開されました。 |
本県民会議の公益目的の事業は3種類です。事業1、九州や兵庫県との |
青少年交流体験事業(フレンドシップイン事業)、少年の主張大会(市町 |
市町村団体との連携。全国大会派遣)、「家庭の日」に係る絵画・ポス |
ターコンクール、青少年を健やかに育てる県民大会の開催(市町村団体・ |
関連機関との連携)、青少年育成者研修会の開催、関係機関・団体との |
連携活動、青少年育成市町村会議との連携活動などです。事業2は、沖縄 |
子ども未来県民会議(子どもの貧困対策事業)の出納事務等です。事業3 |
は、子ども・若者支援事業(参加者を公募、人材育成目的)などです。 |
ひるがえって、われわれは社会変化の激しい時代状況に生きています。 |
未曾有の大震災、新型コロナウイルス感染症によるパンデミック、情報化 |
国際化、少子高齢化などの急激な進行などです。大人以上に青少年、すな |
わち子ども・若者は強い負の影響をこの状況から受けています。子ども・ |
若者の不安の高まり、家庭・社会・学校での孤独・孤立の顕在化、ウェル |
ビーング(安寧感)の低下、学力・健康等による格差拡大などが懸念事象 |
だとされています。具体例として、子ども・若者の自殺や虐待の増加、 |
非行、引きこもり、10代の望まない妊娠、ヤングケアラー問題などです。 |
果たしてわれわれは子ども・若者に対するどのような支援プログラムを |
準備する必要があるでしょうか。これまでの事業効果の検討を踏まえ、 |
今後の企画を立てる必要があります。フレンドシップ事業は、参加者に対 |
する正の効果が得られました。参加した生徒に「生きる力」と「有能さ |
(コンピテンス)」における有意な正の変化が得られました。「生きる |
力」は「心理的・社会的能力」のことです。参加した生徒たちは、「失敗 |
を恐れない」「いやなことはいやだとはっきり言える(非依存)」「失敗 |
しても立ち直るのが早い(明朗性)」「多くの人に好かれている(交遊・ |
協調)」「先を見通して自分で計画が立てられる(視野・判断)」「自分 |
が進んで何でもやる(積極性)」などが高くなりました。一方、「有能 |
さ」は、自分に対する能力評価です。「むずかしい問題にも挑戦してみま |
す(上昇)」「クラスの人はあまり自分を相手にしてくれないですか(低 |
下)」「自分はあまり役に立たない人間だと思いますか(低下)」「友だ |
ちはたくさんいますか(上昇)」などと、生徒たちに好ましい効果があり |
ました。集団活動・行動や交流体験などのフレンドシッププログラムの内 |
内容は生徒たちにとって、有意義を与えた言えます。同プログラムが長く |
続いているゆえんです。 |
われわれは、子ども・若者に対する支援において、基本的に2つの視点 |
を大切にしています。子どもたちは自らを成長させる力を有する能動的な |
存在である。子どもたちは、自分の置かれた環境条件や装置を用いて、自 |
分の成長を遂げていくことができる。また子どもたちの集団活動において |
「対話による合意形成の優先」「少数意見の尊重」「誰一人も取り残さな |
い姿勢」という視点を重視します。さらに、子ども・若者への支援の在り |
在り方を考える際には、子どもたちの「生きる権利」「育つ権利」「守ら |
れる権利」「参加する権利」という4つの権利を枠としたいと思います。 |
子ども・若者への支援活動が有効に機能する上で、県民個人、家庭、地域 |
市町村団体、学校、警察、行政、社会教育団体との協力・協働が必要で |
す。また、物心両面に渡る個人賛助会員及び地域企業・団体の社会貢献 |
活動の恩恵に与り、厚く御礼申し上げます。皆さまのこれまでのご理解と |
ご協力に感謝しつつ、これからもより一層のご協力とご支援を賜りますよ |
うお願い申し上げ、ご挨拶といたします。 |
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令和4年1月吉日
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公益社団法人沖縄県青少年育成県民会議
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会長 山入端津由 |