これまで、自分の生き方、考え方に不満をもったことはない。そうゆう人間はごく少数だろうが、自分がその少数の人間であることは確かだ。元の世界でも、此方の世界でも、自分が満足でき得るほどの手段を選んできた。たとえ望んだ結果でなかったとしても、だ。
 選んだ手段、過程によって、得られた結果がどんなものであろうと、悔いたりはしない。自分の行いが果たしてよいものかどうか、省みることはするが、それを悔やむことはしない。どんな状況においても、その場であたしが考えたことを悔いたりはしたくないし、する必要もないと思っている。それを活かすことはするが。
 しかし。
 流石に、今回ばかりは、悔やんだ。こればっかりは、いくら何でも悔やんでしまう。失態だ。間違いなく、これは失敗であり、失態であり、そして状況は最悪だ。

「……ゴメン」

 荒野の厳しい風か吹き込む、大きなクレーターに向けて、御津は謝意を表した。届くかどうかは、問題ではない。
 喚んでしまった彼らに対しても、そして、其処にあったはずの、其れに対しても。